【読書感想】トランスジェンダーの私がボクサーになるまで
【読書感想】トランスジェンダーの私がボクサーになるまで
はじめに
今日は本の感想をブログしていきたいと思います。
僕の数少ない趣味の一つが読書と執筆なのですが、今回読んだ本の作者はトランスジェンダー男性でもあり、記者でもある人物で、文章がとても上手く読みやすく、話に引き込まれていくような読み応えのある内容でした。
僕自身は執筆が趣味と前述したのですが、完成された作品はまだなく、どれも中途半端です。
文章を書く人ならわかると思うのですが、文章を書くのも根気強い継続力が必要になってきます。なのでこの作者に限らず全ての執筆家に僕は敬意を抱いています。
そもそもこのブログを始めたのは僕の日頃のモヤモヤとした気持ちやネガティヴな思考をアウトプットすることで感情をリフレッシュすることを目的としたものなのですが、そんな僕の脳内ゴミ捨て場であるこのブログを読んでくれる数少ない方々がいるとしたらたかがブログと言えど読みやすく、楽しんでもらえるものにしたいとこの本を読んで思いました。
なので、この記事以降の記事を書く際はそんなちょっとした心持ちを意識しながらブログしていければいいな、と思いました。
感想
さて、本題に入っていきたいのですが。
この本の作者はFTM(生物学的な体は女性で心は男性)のトランスジェンダー男性でニューヨークで記者をしている方です。
表紙は作者本人が写ったものになっているのですが、見た目は髭も生えて体は逞しく、男性そのものです。
そんな彼の名前はトーマス・ページ・マクビー。
トムは日頃の生活の中で男とは、男らしさとは何なのかを考えさせられる毎日を送っていました。
街中で喧嘩をふっかけられた時、男性となって職場での社会的地位が上がった時、テストステロン(男性ホルモン)を打って男性の見た目に近づくたびにそんな疑問を考えずにはいられなかったのです。
そんなトムは疑問を解決するため男性としてボクシングを始めることとなります。
男とは何かをボクシングを通じて探っていきます。
数ヶ月後に控えるチャリティマッチの試合に出場することを目標に練習に励むトムですが、もちろんそれは過酷な道でした。
それは単に彼がトランスジェンダー男性であるという理由もありましたが、もっと奥深く、彼の内面的な何かを克服することも重要なポイントでした。
男性として見られているかどうか。
自分はちゃんとパス(男性と認識されているか)できているかどうか僕たちFTMはそんなことをふとした日常で考えます。
相手になめられないこと、間違った男らしさにこだわること。
本来自分がされて嫌なことを、思わずやってしまっている自分にトムは次第に気がつき始めます。
かという僕も男らしさとは何なのかを考える時が多くあるし、当事者同士でも偏見や差別は実は多くあるのです。
例えば僕はFTMと名乗りながら髪が長く、治療もしておらず、一人称で私と使う方をyoutubeで拝見したことがあります。
彼は私の中の男らしさには該当しませんが、彼にとっては自分は間違いなく男性であり、自分自身が揺るぎなくそう信じていればそれでいいのです。
後から性自認が変わってもそれはそれでいいし、他人にどう思われようと自分らしさを通すこと。
それが自分らしさであり、男らしさであり、そして女性らしさでもある。
僕はこの本を読んでそう感じました。
自分らしく生きることは簡単そうに見えますが、実はもっとも勇気のいることだと僕は思っています。
日常の中で誰かに合わせてしまう自分、言いたいことを言えない自分、着たい服を着れない自分、顔色を窺ってしまう自分。
そんな自分を少しでも認めてあげることで、心は確実に軽くなっていきます。
〜らしさに囚われない。自分らしさだけに真っ直ぐに。
本書でトムは試合に勝つことができるのかどうか。
トムが最後に導き出した男らしさとは何なのか。
ぜひ本を手に取って読んでみてください。
押すすすめです。
それでは
ピース✌️